秋田・青森でクリニック開業を目指す先生へ|資金計画の考え方【2025年版】

秋田・青森でクリニック開業を目指す先生へ|資金計画の考え方【2025年版】

はじめに

はじめまして。税理士の桜井晃規です。
秋田・青森でクリニック開業を検討されている先生にとって、もっとも重要なテーマが資金計画です

クリニック開業に必要な資金は、

  1. 設備資金(初期投資)
  2. 運転資金

  3. の大きく2つに分かれます。

    特に秋田・青森では戸建て開業が中心となるため、都市部よりも初期投資が大きくなる傾向があります。
    本記事では、地域事情を踏まえながら、開業時に押さえるべき資金計画のポイントをわかりやすく解説します。

    1. 設備資金:戸建て開業が中心の秋田・青森|建築費は1億円超も珍しくない

    秋田・青森は、都市部のようなテナント入居型(ビル診)ではなく、戸建てクリニックがほとんどです。
    そのため、建物建築や駐車場整備まで含めると、初期投資は次のような規模になります。

    ▼ 一般的な初期投資(クリニック建物建築)の目安

    • 土地購入費:1,000万〜3,000万円
    • 建物建築費:1億〜1億5,000万円
    • 駐車場・造成費:数百万円

    さらに診療科ごとに、必要な医療機器が大きく異なり、設備投資額も変動します。

    ▼ 主な医療機器費用(※金額は一般的な目安です。)

    • MRI:8,000万円〜1億5,000万円
    • CT:3,000万円〜6,000万円
    • 内視鏡システム:600万円〜1,000万円
    • レントゲン設備:300万円〜600万円

    たとえば、MRI導入+戸建て建築で脳神経外科を開業する場合、総投資額が2億円を超えるケースも珍しくありません。

    逆に皮膚科・精神科など、比較的設備投資が少ない診療科では、数百万円〜1,000万円程度に抑えられることもあります。

    高額機器を導入することは競合との差別化につながる一方、過剰投資は返済負担を重くし、返済負担が重くなると、キャッシュフロー悪化の原因となります
    「投資額」と「期待収益」のバランスを冷静に判断することが重要です。

    2. 運転資金:開業直後は“売上がほぼ入らない”|診療報酬は2カ月後に入金される仕組み

    運転資金とは、開業後に日常の運営を続けるために必要な資金です。
    主な内訳は人件費・家賃(賃貸の場合)・光熱費・医療材料費・リース料など。

    しかし、医療機関の資金計画で最も注意すべきなのが、診療報酬の入金が「2カ月後」になるタイムラグです。

    ▼ 保険診療の入金サイクル

    1. 診療
    2. 翌月にレセプト請求
    3. さらに翌月(=診療から2カ月後)に入金
    4. つまり、初診患者の診療報酬は2カ月後まで入ってこないということです。

      さらに、患者さんが3割負担であれば窓口で受け取れるのはその3割のみ
      残りの7割は2カ月後まで入金されません。

      開業直後は、

      • スタッフ給与
      • リース料
      • 医療材料費

      など支出は発生し続けるにもかかわらず、診療報酬が入ってこないため、資金繰りが最も厳しい時期となります。

      ▼ 安全な運転資金の目安

      • 最低:2〜3カ月分
      • 推奨:6カ月〜1年分

      運転資金が不足すると、開業直後に資金ショートを起こすリスクがあるため、余裕を持った準備が必要です。

      3. 資金調達の考え方|金利・返済期間・据置期間が重要

      秋田・青森の地方銀行では、医療機関向け融資の金利は概ね2%台が目安です。
      しかし、開業医向けには他にも複数の有利な制度があります。

      ● 福祉医療機構(WAM)融資

      • 医療専門の長期・低金利融資
      • 建築・設備・運転資金まで幅広く対応

      ● 日本政策金融公庫(創業融資)

      • 固定金利で利用しやすく、開業初期の負担が軽い
      • 自己資金が少ない開業医にも柔軟に対応

      ● 補助金の活用

      • IT導入補助金
      • 自治体の開業支援補助金(例:大館市クリニックスタートアップ支援)など

      たとえば、1億〜2億円規模で開業する場合、金利1%の違いで“数百万円〜数千万円”の差が生まれることもあります。

      また、

      • 元金返済の据置期間があるか
      • 返済年数をどこまで伸ばせるか

      これらは資金繰りに直結するため、借入先の選定・条件交渉は慎重に行う必要があります。

      4. 事業計画の精度が融資の成否を左右する

      金融機関が最も重視するのが、開業後5年間の事業計画(収支計画)です。
      医療機関の事業計画には、次のポイントが明確に示されている必要があります。

      ● 想定患者数(1日の来院数)

      診療圏・競合状況・地域特性から実現可能な数値であること。

      ● 平均診療単価

      初診・再診の割合、検査・処置の頻度、自費診療の有無などから算出。

      ● ランニングコスト(固定費・変動費)

      特に人件費、水道光熱費、リース料といった固定費が大きな割合を占めます。

      キャッシュフロー

      見た目の利益が黒字でも、借入金返済および納税後にキャッシュが残らなければ経営は継続できません。

      これらに整合性がない場合、

      • 融資額が減額される
      • 金利が高くなる

      など不利な条件となる可能性があります。

      一方、根拠ある精密な事業計画は銀行の信頼を高め、

      • 金利優遇
      • 高額融資
      • 元金据置の付与

      など好条件につながります。

      医療開業は一般の創業とは異なり、診療報酬制度や医療機関ならではの収益構造・費用構造を理解する必要があります。

      そのため、医療業界に精通した専門家と計画を作り上げることが、開業成功の大きなポイントとなります。

      まとめ|秋田・青森でのクリニック開業は「資金計画+専門家の支援」が鍵

      • 戸建て開業中心で、設備投資は1億〜2億円規模になることも多い
      • 診療報酬は2カ月後入金のため、運転資金は6カ月以上が理想
      • 金利・返済期間・据置条件で資金繰りは大きく変わる
      • 精密な事業計画の有無が融資条件を左右する

      地域の事情を熟知した専門家と資金計画を組み立てることで、着実で安定したクリニック開業が実現できます。

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