【医療専門税理士が解説】クリニック開業時は院内処方?院外処方?経営面からおすすめの選択とは

【医療専門税理士が解説】クリニック開業時は院内処方?院外処方?経営面からおすすめの選択とは

クリニックの開業を検討されている先生から、よくいただくご相談の一つが「院内処方と院外処方、どちらを選ぶべきか」という点です。患者様の利便性や地域性など、さまざまな観点がありますが、本記事では経営面(収益性・コスト・リスク)に焦点を当てて解説いたします。

結論から申し上げますと、無床診療所のクリニックにおいては、院外処方を基本的におすすめしています。

院外処方のメリット(経営面)

① 処方箋料が安定収入となる

院外処方の場合、診療ごとに処方箋料を算定することができ、安定した収益源となります。

院内処方のように薬価差益に依存する必要がないため、収益構造がシンプルで読みやすい点が特徴です。

② 設備投資が不要

院内処方を行う場合、調剤室の設置・分包機や監査システム等の調剤機器・薬品保管設備といった多額の初期投資が必要となります。

一方、院外処方であればこれらは不要となり、開業時の資金負担を大きく抑えることができます。

③ 人件費・管理コストの削減

院内処方では、薬剤師や調剤補助スタッフの人件費・在庫管理および発注業務・使用期限管理といった継続的な運営コストが発生します。

院外処方であればこれらが不要となり、人員を最小限に抑えたスリムな経営が可能です。

④ 在庫リスクがない

近年は薬価差益が縮小しており、むしろ薬剤によっては逆ザヤとなるケースも見受けられます。さらにデッドストック(不動在庫)や使用期限切れによる廃棄といったリスクも無視できません。

院外処方であれば、これらの在庫リスクを完全に回避できます。

院内処方のデメリット(経営視点)

院内処方には一定のメリットもありますが、経営面においては以下の負担が大きくなりがちです。

  • 設備投資が大きい
  • 人件費が増加する
  • 在庫リスクを抱える
  • 薬価差益に依存した不安定な収益構造

特に近年の医療環境を踏まえると、院内処方で大きな利益を確保することは難しくなっています。

まとめ:クリニック開業時は院外処方が合理的

以上を踏まえると、無床診療所のクリニックにおいては、以下の観点から院外処方を選択することが、経営上は合理的な判断といえます。

  • 初期投資を抑えられる
  • 固定費を軽くできる
  • 在庫リスクがない
  • 収益構造が安定する

地域の調剤薬局と連携することで、患者様の利便性を確保しながら、クリニックは診療に専念する体制を構築することが可能です。

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